使節の文書:「第一印象」
<現代語訳>2週間後、私はようやく邪馬台国の女王卑弥呼に目通りが許された。
正直に言おう。あのような女に、私はいまだかつて出会ったことがない。
美しく、謎めいており、かつ、狡猾さも持ち合わせている。
常に「太陽の巫女」たちに取り巻かれ、軍を統率する将軍以外に、男はそばに置かない。
女王とふたりきりで謁見を許された際、私は卑弥呼が見かけとはまるで異なる人物であることを悟った。
私は命を受け、卑弥呼とその兵力について探るためにやってきた。
我が君はおそらく邪馬台国の脅威を過小評価している。
卑弥呼が擁する「嵐の防人」の実力こそ未知数だが、
太陽の女王が侮ってはならない相手であることは間違いない。
中国の使節が記した、女王の宮廷訪問時の回顧録のようね。