解放
2011年6月5日あれから年月が過ぎ、
今や夢で彼女のささやきを聞くまでになった。
太陽の女王が・・・私を急き立てるのだ。
朝日がのぼるたびに、私はその尊顔を拝する。
もう間もなくだ・・・我がソラリたちは、
女王のために汗を流している。
女王が島にもたらした資材で都市を建設し、
女王の名のもとに人を苛み、生贄を捧げている。
「カギ」は間もなく見つかるだろう。私の望みは脱出だが、
それは単にこの島からということではない。
難破船、死体、みずぼらしさ・・・そのすべてから逃れたいのだ。
女王さえ復活すれば、そういったものは瞬時に消え去るはずなのだ。
のぼりいずる朝日のように、女王はその御光で陸という陸、海という海を照らし、
すべてを焼き払いだろう。
その焦土から、私は現れるのだ。
生まれ変わった清らかな体で。
マサイアスは完全に正気を失ってる。どんなことをしてでも、自らのゆがんだ目的を成就させるつもりみたい。