FIFA 12はスポーツ・ゲームの一つの達成点だ。史上最高のサッカー・ゲームというだけでなく、このスポーツの本質を見事に捉えている。
見た目からプレー方を考えさせるやり方まで、FIFA 12は隅々まで素晴らしい。

ありがたい事に、FIFA 12は無意味に何かを刷新するような事はせず、ゲームプレーに施された革新要素は、FIFAのゲームプレーを実際に改善している。
試合運びが、より現実のテンポに近づいているのだ。革命？革新？そんなもの誰が気にするのか。
FIFA 12は史上最高のサッカー・ゲームか？そうは思わないが、私のリストのトップはFIFA 12だ。

FIFA 12は驚異的な偉業だ。EAは手を抜く事も出来ただろうが、既に世界的に賞賛されていた根本的なゲームプレーの幾つかを刷新するという大胆さを見せている。
60ドルのルースター・アップデートだと嘆くゲーマーも数多くいるだろうが、そういったゲーマーは本作の新鮮さや改善点を見逃す事になる。
FIFA 12にはこれまでにない我慢強さと集中力が求められるが、同時に我々が愛して止まないスタイルと中身を提供してくれる。それこそサッカーの本質だ。

モウリーニョはかつて「優れた卵が優れたオムレツを作る」と言ったが、今回ばかりは「卵を割らなければオムレツは作れない」という、より広く知られた諺の方がはるかに重みを持つだろう。

全てのモードが、お洒落な演出に彩られている。メニューは分かりやすく、実況はエキサイティングで聞き取りやすく、ビジュアルも今まで以上に鮮明だ。
ピッチに並ぶお気に入りの選手は簡単に見分ける事が出来るし、オフィシャル・ライセンスのお陰でユニフォームも全て本物だ。
インパクト・エンジンの追加によって、アニメーションはこれまでになくリアル。素晴らしいオンラインと改善された操作性によって、
FIFA 12は見事な奥の深さとやりがいがあり、中毒的で、シューズを履く事なく限りなく現実に近いサッカーを体験出来る作品に仕上がった。

刷新された物理エンジンと改良されたAIのお陰で、今年のFIFAはこれまでにないほど優れたアップデートとなっている。
正にゲームのゴール量産マシンであり、ベンゲルでさえも買わずにいられないだろう。

違いを見るためにFIFA 11を起動してみたが、その違いは目を見張るほどだった。
何より戦術守備が全く別物になっているが、使い続ければ、FIFA 12は全く新しい、より現実的なサッカー体験となるだろう。キングは死んだ。FIFA 12が新たなキングだ。

FIFA 12をプレーした後だと、過去作をプレーするなど想像し難い事だ。現実にまた一歩近づいた歓迎すべき最新作だ。

リスキーな新守備システムは上手く行っているし、様々な変更点も、本作を史上最も現実的なサッカー体験たらしめている。

サッカーというスポーツの本質が見事に再現されており、現時点で本作よりも優れたサッカー・ゲームを見つけるのは実に困難だ。